シングルマザー・マリー 【前編】

6歳の長女と、まだ生まれたばかりの息子を寝かしつけたときに、
その悲報は舞い込んだ・・・



警察からだった。
夫の友人が運転していた車がトラックに追突、
助手席に座っていた夫は即死したという。



二人の出逢いは彼女が13歳のとき。
ある日、マリーのクラスに新しい転校生デイビッドがやってきた。
彼女はちょっと悪ぶれた様子の彼に一目で恋に落ちる。
そして、「将来、彼と結婚する!」と直感したという。



二人が同じハイスクールに進学したときに、
ようやく彼女は彼に告白する。



当時の写真には、
アメリカンミュージカル『ヘアースプレー』のようなファッションと、
髪を大げさに逆立てたヘヤースタイルのあどけない彼女、
長身で痩せたデイビッドが、
ハンサムな顔立ちに、
ブロンドの髪を額に無造作に流して、
はにかむような表情で、
片腕をマリーの肩を包むように歩く姿が映っている。



その後、二人は20歳で周囲に祝福されて結婚。
翌年には長女が生まれ、数年後に息子にも恵まれた。



マリーは語る。
「毎日が本当に幸せだったわ。
夫と子供たちが私のすべてで、家庭は愛に溢れていた」




続く・・・・

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