ソウルメイト 【前編】

ニューハンプシャー州の静かな田舎町に住むスーザンは
一見すると普通のリタイヤした小柄なお年寄りの女性に見える。
だが、彼女はれっきとした科学者であり、理で物事を考えるロジカルな女性だ。



考古学教授の父を心から尊敬していたスーザンは、
父親の影響を大きく受けて、
幼いころからすべての科学に、特に化石に非常に興味を持っていた。
父親は地元で発見された化石の収集を長年続けており、
家にはあらゆる化石が陳列されていたからだ。
あまりにもその収集が増えたために、父親が庭にそのための小屋を建てたほどで、
その小屋で化石に触れたり、じっと眺めて時間を過ごすのがスーザンの日課だった。



スーザンは理知的で、
ハイスクール時代は成績は非常に優秀、
特にサイエンスにかけてはクラスで常にトップだった。
しかし、そんなスーザンをリスペクトするどころか、
茶化したり、いじめたりするクラスメートが数人いた。



何も言えずに彼らを避ける日々を続けていたある日、
いつもは静かで口数少ない男子生徒が
いじめられていた彼女の前に立ちはだかってこう叫んだ。



「スーザンは頭脳明晰で聡明な女の子だ!
そんな彼女をいじめるなんて、
お前たちは最低だ!
彼女みたいに勉強できないくせに!」



スーザンはあまりにも驚いて言葉を失くした。
彼は誰なの?



その時、初めて彼女は彼と言葉を交わした。


「かばってくれてありがとう。
名前はなんていうの?」



彼ははにかみながら答えた。


「ジョン。
君のことはいつもすごいなって見てたんだ」



以来、二人はたまに言葉を交わす友人になったが、
高校卒業とともに二人は他州の大学に進み、
音信不通となった。



続く・・・・

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